質問ケース2:BMWがFRにこだわる理由

質問2:BMWがFRにこだわる理由?

現在、BMWミニを除きFR設計になります

FR車のメリットはたくさんあります。

今は、コストダウンのために流行ったFF車が主流ですが
それでは、なぜBMWはFRにこだわるのでしょう!


メリット:前輪
1、前輪は操舵専用の開発が出来るため、
ハンドリングや乗り心地を良く出来る。

2、前輪は、車両4輪の中で絶えず左右に動いているため、
ベクトルの理論上、それだけ横方向や変則的な加重を絶えず
受けているため非常にタフな設計を要する。
FF車はその構造にプラス駆動力がかかるため
さらに耐久性が必要となります。

FF車は5万キロも走ると前輪がガタガタになったり
ジャダーが出ることもあります。

3、操舵専用に出来るためアライメントに有利で、
直進性、コーナリング性で専用角度が設定できる

4、FRは操縦者のハンドルに余計な振動を与えなくて済むため、
足元などへの居住性は増す。

5、車両のブレーキは前輪が多く使われる。
前輪のブレーキが設計上、FRはタイヤの空転制御となるのに対し
FFはシャフトやギアーが付いて重い分慣性モーメントでは
FR以上のモーメントがある分強靭なブレーキ性能が要求されるので、
その設計が甘い車種は高速になるほど効果が低下しやすい


メリット:後輪

1、FF車はフロントに加重が集約して、バランス的に悪く
コーナーリングなどでは前輪が受ける
横重力と後輪が受ける重力に差が出でしまうためアンダーステアーになる。
その分、FRでは後輪に重量がかけれるためBMW車は50:50を理想とし
カーブでの重力配分をイーブンとするため理想のラインで曲がることが出来る。

2、駆動と操舵を分けれるため、後輪にしっかりとしたパワーがかけれる。
大きな馬力でも充分な耐久性を持たせられる。タイヤも大きく出来る

3、重量が50:50にできる車は雪道も強い。
タイヤが受ける面積と加重が等しいため
それに横滑り防止装置がつくとFF車より雪道性能が上げられる。
ヨーロッパ車はこの方式にかわりつつある。

4、安全的所見で考えた場合、エンジンを縦置きで配置し、
ミッションは運転席サイド その後ろにドライブシャフトが来るため、
シャシー強度的には縦に溝が出来るため
正面からの衝撃には非常に有利で、剛性の良いボディーが出来る。
またエンジンが中央から抜けるため、人体に与える影響が少ない。

5、後部よりの追突試験でも、ドライブシャフトやその周りの構造が強固に出来る


デメリット
1、FF車よりコストがかかる
2、室内中央に、凸が出来る。
3、エンジンルームは大きくなる。

エンジニアはFR車を作りたいんですが、
コスト優先でFFが主流になっています(国内)

メルセデスやBMWは、その逆でコストが多少かかろうが理想の車と
安全性を考慮した結果FR車を多く作っています。

BMWはFR車を理想とし、50:50の重量配分にこだわり
全車そうしてあります。(MINIなどは別)

だから、高速安定性が違うんですね。

FF車を走る物体として物理的に分析すると、アンバランスな乗り物になります。

 
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